マニュアル・運営改善

【飲食店スタッフ】
マインド整理【5つの事例】

こんにちわたいらですがご機嫌いかがですか?

今回は飲食店における「スタッフのマインド整理」の重要性に関して掘り下げて行きたいと思ってます。昨今に宴会需要の減少傾向、慢性的な要員不足により、スタッフの生産性向上は業界全体の喫緊の課題と言えます。

ルールでがんじがらめにするのが一見効率的なように思われますが、相手が人間である限りイレギュラーな事態は避けられないため完璧なルール作りは不可能です。であるならば、

マニュアルでマインドを整理して自走できるスタッフを育成しましょう!!

というのが当記事の主旨です。

レジ締めやオーダーの手順、開店閉店業務のマニュアルはあるのに考え方や運営方針(=マインド)を明文化したものがない・・・私が覗いてきたお店にはそういったケースがたくさんありました。実務の中で勝手に身に付いて行くものよりも、「何を優先し、どういった価値基準で判断するのか」に軸足を置いたマニュアルの方が対面接客業、こと飲食店においては実用性が高まります。

それでは各事例ごとに問題点と解決策を検討していきましょう!!

5つの事例

飲食店を普段から利用されている方や従事したことのある方なら見たり体験したことのありそうな事例を5つご紹介します。

  • どういった事例で何が問題なのか
  • 単純なルールで縛ろうとするとどういった事態になるのか
  • どのようなマインド整理が必要なのか

上記のような順番で解説していきますので、よかったら一緒に解決策を考えながら読んでみてくださいね😀

CASE1:オープンキッチンでの衛生管理

これは私がつい先日目の当たりにした実に不快な光景(笑)なのですが、ちょっとしたチェーンのラーメン屋さんで食事してたときに麺茹でるマンが前髪をかき上げてたんです。で、まぁ手を洗うことも無く素手で生麺を茹で麺機に放り込んでました。

イケメンだったら許す。

いやいや許すな💢もちろん見た目の清潔感は大事ですけども。これは決してラーメン屋に限った話じゃなくてですね、

  • リキュールの口をダスターで拭き上げる
  • おたまに直接口を付けて味見をする
  • 揚げ物に金串を刺して唇で温度を確認する

これらのオペレーションが正しいか間違っているかはさておき、オープンキッチンでなされることについてどう思いますか?あなたがお客さんの立場ならどうですか?

CASE2:テーブルにお皿を置くスペースが無い

居酒屋さんや焼肉屋さんでよく目にするんですが、スタッフがお客さんの元へ料理を提供しに行ったところ置き場が無い。両手もふさがっていてまごついている所、お客さんがスペースを空けてくれてなんとか提供できました、と。

かわいい女の子だったらスペース空けるまでもなく喜んで受け取っちゃうけどね

だから見た目バイアスはやめなさい。置く場所がなくておろおろしてるかわいい女の子も、お客さんがスペース待ってくれるのをふてぶてしく待っているおっさんもオペレーション上の課題として本質的には変わりませんから。

じゃあどうすればこのような事態を避けられるのか、少し考えてみてください。

CASE3:レシート渡したり渡さなかったり

古より伝わるこの問題はいまだに解決されていない飲食店が多数あります。もっとも飲食店に限った話ではないですが、皆さんも経験されている通り、

  • レシートを渡してくる人
  • レシートが必要かどうか聞いてくる人
  • レシートが必要そうな人かどうか見てくる人
  • どうせいらないでしょってスタンスの人

色んな店があって色んな人がいます。レシートを渡してこないことに違和感や苛立ちを覚えたことのある人も多いでしょうし、

駅で一人で立ち食い蕎麦食ってレシート要るわけなくね?

なんて人もいるでしょう。ちゃーんと1円単位で家計簿付けてる人もいるんだよ、鶴子。写真からの読み込みアプリもあるしね。

CASE4:料理説明したりしなかったり

コース料理ならずとも、お通しやアンティパスト、お刺身等、パッと見だけだと何なのかわからないものもありますよね。こういった商品を提供する際、スタッフからお客様への料理説明をした方が好ましいでしょう。

ただし、以下のようなケースを考えてみてください。

  • 他のお客様へ急いで届けなければならない温かい商品がある場合
  • お客様が賑やかにお話されている場合
  • 二人組のお客様で一方が中座されている場合

こういったケースにおいても「必ず料理説明をする」ことが正しいと言い切れますか?

CASE5:お客様との会話に過度な時間を割く

いやぁ、カウンターのお客さんに捕まっちゃって・・・

サービスに出たまんま帰って来ないと思ったらこんなこと言うスタッフいませんか?私は739人くらい見てきました。ちょっと言い方悪いですが、

  1. 自らお客さんの懐に潜り込んで自分の価値を上げようとしたり他業務を怠ったりするタイプ
  2. お話好きなお客さんからの逃げ方を知らない、愛されやすくて言われやすいタイプ
  3. お客さんとのコミュニケーションよりお店の回しに重きを置くタイプ

に大分されます。3.については1.2.と趣が異なりますけど。1.は水商売的な付加価値に注力しない限り、基本的にはあまり良くないと認識される場合が多いですよね。ただし2.3.についてはあながちどちらが正しいとは言えないのではないでしょうか。

ルールで規制するとこうなる

それでは上述の5つの事例について、ルールで規制しようとするとどういったことになるのかを考察していきましょう。基本的にはイレギュラーに対して脆弱なルールができ、スタッフからの反発が想定されます。

CASE1:オープンキッチンでの衛生管理

例に挙げた行為を禁止する、もしくは他の手順を定めれば良いだけの話です。

  • キッチン内で髪の毛を触るのはやめましょう
  • リキュールの口を拭く際は新しいダスターを使用しましょう
  • 味見の際は専用の小皿を使用しましょう
  • 揚げ具合の確認には中心温度計を使用しましょう

で盛大に揚げ足取りを行います。超得意。さんざん喰らって来たし(笑)

  • 目をこするのは仕方無くないですか?リップ塗るのは問題ないですよね?
  • リキュール使う度に新しいダスター出すんですか?一日30枚卸すことになりますよ?
  • 小皿足りないんで買い足してもらえますか?あと洗い物が増えるから残業増えます。
  • 中心温度計に余熱の入り方が計算できますか?

屁理屈だと思われる方の感覚の方が正常だと信じたいのですが、実際にこういった拗らせた反論を何度となく耳にしてきました。

いやいやそうじゃなくて・・・

もちろん現場の風土や関係性によるところも大きいですが、基本的にはオペレーションを変えようとするとアレルギー反応が起こります。1つのルールを変える、加えるためにそれはそれは大変なエネルギーを消耗するわけですよ。

CASE2:テーブルにお皿を置くスペースが無い

この対策は意外と難しいんですよね・・・具体的に想定されるオペレーション改善策としては、

  1. そもそもテーブルに乗らない量のオーダーを一度に取らないこと
  2. オーダーは一度に取るけど調理場には複数回に分けて通すこと
  3. 乗らなかったらその時に初めて最適な対応を考えること

3.は改善策になってないですね(笑) どれも一概に間違っているとは言えませんし、それでいてどの作戦にもリスク、欠点があります。

  1. 売上面での機会損失が発生する、お客様を止めることで不快な思いをさせる
  2. オーダーテイクしたものを通し忘れるヒューマンエラーのリスク
  3. ケースによって最適な対応が異なるため、スタッフのスキルや判断力依存になる

1.や2.のリスクはどうしても消えないので、3.と並行して「スタッフのスキルや判断力を高め、バラつきをなくす」のが理想的だと思いませんか??

CASE3:レシート渡したり渡さなかったり

基本的には「必ずレシートをお渡ししてください」で終わるはずですよね。それではなぜこの問題が地球上からなくならないのか。

答えはシンプルで、レシートを渡されることを拒まれたり、鬱陶しそうにされることが多々あるからなんです。そうこうしているうちに心にヒビが入っていった結果、7割のスタッフが7割のケースで守っている5割ルールになってしまうわけです。

あれ?さっき俺レシートもらわなかったんだけど・・・

ってなったときに、

たぶん5割くらいの確率でお渡ししてるような気がします。

って返答しかできないならばそのルールに意味は無いんです。

CASE4:料理説明したりしなかったり

「必ず料理説明をしましょう」がルールだった場合、先述の通り

  • 他のお客様へ急いで届けなければならない温かい商品がある場合
  • お客様が賑やかにお話されている場合
  • 二人組のお客様で一方が中座されている場合

こういったケースでテーブルの雰囲気を悪くしてしまったり、

うるさいなぁ、こっちは楽しく話してんのに・・・

と感じられてしまう可能性があります。だったら少々言い方を変えるにせよ「できるだけ料理説明をしましょう」にすれば良いのか・・・となるんですが、そうするとできるだけ料理説明をするスタッフ言い訳を作って極力料理説明を回避するスタッフに見事別れてしまいがちです。もちろん業態やスタッフの教育スキルにも依存します。

できるだけ、っていうのをどれだけ明確化できるかが業務の平準化においては大きなカギを握ってきます。

CASE5:お客様との会話に過度な時間を割く

単純なルールで縛るとなると「他の業務に支障が出ないよう、お客様との会話はほどほどにしましょう」あたりの表現に落ち着くかと思います。これで事足りるならそれでも良いでしょう。

ところが、他の業務に支障が出てるか出てないかを本人がジャッジするのはいささか不穏な空気が立ち込めてないですか?他のスタッフがフォローしてくれてることに甘えて自分は目の前のお客様から求められている会話に精を出す、という判断に待ったをかけにくいんです。

マインドの整理

少し抽象的に感じられるかもわかりませんが、それがマインドです。5つの事例における私なりの答えを手短にご紹介します。細かいルール、マニュアル作成の前段階としてこのようなマインド整理をすることでスタッフの自走を効果的に促せますよ、って話です。

CASE1:オープンキッチンでの衛生管理

常にお客様の視線を意識し、不快に感じられ得る言動は慎んでください。

衛生管理等に関する細かい決め事の前に、まずはこのマインドが不可欠です。これさえ腹落ちさせることができれば上のような揚げ足取りではない、建設的なルール作りに取り組むことができるでしょう。

CASE2:テーブルにお皿を置くスペースが無い

お客様がお皿のサイズ感をご存じないことを前提にオーダーをコントロールしましょう

「お客さんが頼み過ぎたんですもん」なんて言い分はこの時点でシャットアウト。置けなくなることが明白な場合、置けない場合について

  • 「テーブルが狭くてご不便をおかけします。」
  • 「テーブルに置ききれないかもしれないので様子を見て順番にご用意しますね。」
  • 「恐れ入りますがお手元を少し空けていただいてもよろしいですか。」

こういった店側の責任を前提としたテクニカルな言い回しを具体的に教えれば良いのであります。

CASE3:レシート渡したり渡さなかったり

「当店はレシートの要・不要の確認を必ず行っています」と言い切れることが肝要です。

スタッフ全員の励行によって初めて目的が達成されることを意識してもらい、各自が責任を持って業務にあたってもらえるよう促しましょう。

CASE4:料理説明したりしなかったり

お客様が料理内容、素材、食べ方についてご不明な可能性があるメニューについては、後からでも良いので必ずご説明しましょう。

料理説明による付加価値が見込まれるメニューも上記に含むと良いですね。

こちら本日朝採れの○○産お野菜を使用した自家製ドレッシングです。

みたいなやつ。いずれにせよ全メニューではなく、「このメニューは説明が必要だ!」というのを明確にしてあげることで優先順位をつける際の手助けをしましょう。

CASE5:お客様との会話に過度な時間を割く

通常業務の負荷に偏りが出ないように配慮した上で+αの業務を行うようにしましょう。

「お客様との会話も大切な業務!」という運営方針もあるでしょうが、特定のスタッフに業務負荷がかかることは健全ではないです。適材適所という免罪符もありますが、スタッフのストレスや摩擦には充分に目を配りましょう。

まとめ

冒頭にもご説明した通り、ルールの羅列だけではなく、考え方・マインドの整理がいかに大切であるか伝わったなら私一遍の悔いもございません。

もしこれから接客マニュアルを作ろうかな~という方がいらっしゃったら是非以下の記事を参考にしてみてください。テンプレート付きで簡単に作成できます。

でわでわこのへんで😀

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