不真面目な記事・趣味等

【ホテルのお仕事】
5年間のおもひでを綴る

こんにちは!ブログをかれこれ1カ月くらい放置していたたいらです😀別に書くことが無かったわけでも忙殺されていたわけでもないんですけど、着実にPVが落ちてきていたものでとりあえず何か書くか、と。

そんな動機で書いた記事が誰かに刺さるとは思えねーけどな

私、ざっくり2008年~2013年くらいまで箱根にあるリゾートホテルに勤務しておりました。基本的にはレストラン配属だったのですが、館内の事務所でレストラン予約管理なんかの仕事をしていた関係でフロント業務にも携わっておりました。

やっぱり楽しかったこともあればしんどかったこともありますよそれは。ホテルで働こうと考えてらっしゃる方に向けて、またホテルに勤務したことある方ならあるあるな体験談を綴って参ります。予め申し上げておきたいんですが、あんまりつまびらかに述べるわけにはいかなかったりエピソードとしてのパンチが足りないといった正当な理由から多少話を盛ったりぼやかしたりする気マンマンです。

有名人の接客を担当

ホテルで働く上でのモチベーションとするのは全くもってオススメできませんが、それなりのグレード感のホテルにはやっぱり有名人のご利用もあります。

もちろん誰とは言えないのですが、タレントさんやスポーツ選手、政治家、ミュージシャンなどたくさんの有名人の接客を担当しました。だいたいそういった方のご利用がある場合は変に驚かないように情報共有されるのですが、本名で予約してチェックインでも仮装気味だったりするとすり抜けちゃうわけです。

一番びっくりしたのはルームサービスでワインを運んだお部屋から大好きなミュージシャンが中からひょっこり出てきたときですね。

yyyっよよよろしければkkkこちらで抜栓いたしましょうか?

「毎日聴いてます!!応援してます!」って言いたい気持ちをグッとこらえてぷるぷるしながらスマートな接客を気張りました。レストランじゃないし言ってもよかったかな、と思ったりもしますけどやっぱりプライベートな空間ですからね。ちなみにサインとか握手は絶対NGですよ!ご本人がOKなら、とかじゃなくて!

メディアで尖っていてもほとんどの方が物腰も柔らかくて、つくづくメディアでのキャラクターは作り物なんだなーって感じました(笑)おもろいことひとつも言わんくせに天狗になってドヤ顔でタメ口聞いてきたのはアイツくらいです。アイツ。これ読んで私と直接お会いする機会ができた方には毒吐き散らかしますね💛

寿司懐石で生ものNG

これにわかには信じがたいんですが、寿司懐石を頼んだお客様の中に生ものが召し上がれないお客様がいらっしゃったんですよ。アレルギー食材の提供を避けるため、3段階の確認を行っておりました。

  1. 予約時に「お連れ様含め、お体に合わない食材をお持ちの方はいらっしゃいませんか?」
  2. チェックイン時に「寿司懐石を6名様でご予約承っておりますがアレルギー食材をお持ちの方はいらっしゃいませんか?」
  3. 更に着席時に「ご予約の際にもお伺いしたかと存じますがお体に合わない食材をお持ちの方はいらっしゃいませんか?」

普通に考えるとクドいように感じるかもしれませんが、アレルギーは程度や種類によって対応が難しかったり、場合によってはお断りせざるを得ないことだってあるんです。NG食材についてもできるだけ対応してあげたい。だから1.は外せない。

2.は割愛できなくもないんですが、ご家族でない団体客の場合などは予約代表者様が他の方のアレルギーを知らない可能性があるため、やっぱり基本的には聞かざるを得ないかなという感じ。

そこも潜り抜けて3.で引っかかってしまったわけですよ。当然ながら生ものを中心に構成されたコースを提供予定の方から

あたし生ものが苦手なんだけど・・・

キタァァΣ三(;゚;ω;゚;ノ )ノ. 直接私が聞いたわけではないんですが、入社間もない女性スタッフから震え声で状況報告を受けまして。たいら先輩顔面蒼白、サンドバッグになるのを覚悟して調理場へ向かいました。

ホテルの調理場って朝食の準備から夕食の片付けまで長時間労働でしんどいんですよ。でも営業中は気を抜けないからピリピリしてるわけです。お客様のためなのはもちろんですが、調理場の負担をできるだけ増やさないって目線も大事でして。

あの、すみません、寿司懐石でご予約の1名様が生ものNGとのことなんですが・・・

生ものNGで寿司食えるわけねぇだろ!ちゃんと確認はしたのか!?フザけてんのか!?

確認はしましたが着席時まで拾えませんでした。(私を)煮るなり焼くなり・・・

ここまでくるとお客様の要望まではなかなか伺えません。お客様がどういった対応を求めているかではなく、調理場がどういった対応が可能で、いかにしてお客様にご納得いただくかの話です。

普通に考えたら当該1名様のみ通常の懐石コースに変更していただくところなのですが、6名口ともなるとすでに2名×3とか3名×2とかの盛り込みを準備しちゃってたりします。そこでボイルした甲殻類や卵、加熱した魚のほぐし身なんかを代用のネタにして寿司懐石の体でいくことに。

後日きちんと私は3枚に下ろされました。

料飲とフロントの各責任者の間で

先述の通り、私は料飲部門に所属しながらフロント事務所で業務にあたる時間が多くありました。だからフロントが手一杯の時はそっちのお手伝いに回っていたわけなんですよ。全然イヤじゃなかったし、むしろ自分の職域が広まることに喜びすら感じていました。

  • インフォメーションに出てチェックイン/アウト業務のフォロー
  • フロント事務所内で予約電話等の応対
  • リネンやグラスなど、客室用備品のお届け

具体的にはこんな業務です。ただやっぱりどこかでボタンが掛け違えたりするものでして・・・

  1. フロントがバタバタしてるのが明らかだから私が電話取る
  2. フロントは私が事務所にいるとちょっと甘えん坊になる
  3. レストラン責任者がフロント責任者に文句言ってケンカになる

あたいのことでケンカするのはやめて!!

みたいなね(笑)

どんな業界でも同じようなことはあり得ますが、直属の上司からは「もうフロント電話取んなくていいよ」なんて言われる始末。若かりしたいらはどうすればええんやらわかりませんでした。そりゃ直属の上司の指示に従うのがセオリーですけど私が電話取らなければ少なからずお客様をお待たせするわけなんで。今なら部門責任者の上司である総支配人に「僕の扱い方、業務の優先順位を3者で決めてください」なんて言っちゃいそうですけどね。かわいくないですね(笑)

年末年始の鬼繁忙期

年末年始はそれはそれは大変でした。レストランの利用率60%とかで客席が設計されてるのに、客室は満室でレストラン利用率も80%超えちゃったりしてました。レストランの客席は分刻みで予約管理しないといけないし、ちょっと人数変更やキャンセルが入ると配席をゼロベースで組み直すなんてことも。

年末になるにしたがって残業が増え、トドメの大晦日はディナー営業終了後に翌朝食のおせちのセッティングをして終わるの2時過ぎ。家帰って4時には出勤して朝食の準備。元旦も日を跨ぐまで働いて・・・完全に労基的にはアウトでしたね💦

でもみんな頑張ってるし、腕の見せ所だしでやりがいはありました。年に1回のお祭りですからね、若さで乗り切った感ありますけども。

ちなみになんですが、年末年始は常連のお客様が多いので顧客情報としてストックしているNG、アレルギー対応も増えます。連泊のお客様も多いので同じコースで内容を変更する連食もたくさん出てきます。

何をいくつ用意してもらうかの数量をリアルタイムで調理場に伝える必要があるのですが、1つでもミスがあると鬼の首取ったように怒鳴られます。最初はやっぱりミスもありました。ダブルチェックのフローを組む案も出ましたが

いや、自分の最終チェックが役割っす。落とし前付けさして頂きやす。

ってイキり散らかした結果、精度スピード共に向上していきました。属人化という意味では褒められたもんじゃないですが、この考え方は今でも変わってません。

再発防止を目的に作られたダブルチェックのフローは、チェックそのものの業務品質向上を妨げる

たいら 心の俳句

何かしら不具合不適合が発生すると、再発防止策として業務工数を増やす。これ非常に悪循環です。ダブルチェックでもダメだったからトリプルチェック、みたいになると目も当てられない。先述のアレルギー確認なんかもそれに近いんですが、大きい会社になってお客様の命に関わる話ってなるとやむを得ないかな、とも。マニュアル野郎としてのキャリアを積んだ今なら

当日のお申し出は対応できかねますので、アレルギーをお持ちの方がいらっしゃる場合は前日までにご連絡くださいませ

を予約管理ツールなりトークスクリプトなりに突っ込めば?って提案しちゃいますけどね。

チェックインの度に私を呼ぶおばあちゃん

これ書き始めてから、良いおもひでに始まり良いおもひでに終わろうと思ってて、一番最初に浮かんだのがとある常連のおばあちゃん。チェックインの度にフロントスタッフに

たいらさん呼んでくれんかね?

ってお声がけを頂いていました。というのも、

  • ご高齢で硬い物が食べられない、量もコース1本食べきれない
  • 同行のお孫さんが軽度のアレルギー食材を複数品目お持ち
  • 1度来たら連泊されるので食事をトータルでコーディネートする必要がある

こんな理由があって、ご予約内容を毎回私が提案して調理場と調整してたんです。だんだん電話予約の段階で私を指名するようになって、チェックイン時に私を呼ぶようになって、誕生日聞かれたりチップ渡してきたり。

誕生日教えるのはいいけど何も受け取らないよ!チップもいらないよ!

お礼してくれるだけでも十分だって何度言っても呼んでくれて。他のスタッフに私の誕生日を調べさせたりして(笑)一回だけ50代くらいのお子さんが「言っても聞かないからチップ受け取ってあげて」っておっしゃったので、

今回だけもらうね!僕だけじゃなくてみんなで食事するとき使わせてもらうね!

って言ってしぶしぶポチ袋に入った1万円を受け取ろうとしたんです。そしたら

みんなで食事するんやったらこれじゃ足りんやないの!!

って言いながらバッグをごそごそし始めて。

そうゆうこと言うんだったらこれも受け取んないよ!!

おばあちゃんしょんぼり(´・ω・`)

本社への転勤が決まってからタイミングが合わなくてご挨拶できなかったのが悔やまれるのですが、たぶんおばあちゃんが寂しいのより私の方がが寂しかったはずです。私はあまりサービススタッフとして表に出るより裏方の仕事をすることが多かったので、親しくしてくれたお客様はそれほど多くなくて。小粋で可愛らしいおばあちゃんと出会えたことはサービスマンとしての私にとって唯一と言っていいくらいの宝物でした。

まとめ

まとめって言っても今回はホテル現場にいた頃を偲んで徒然なるままに書き連ねただけなので何もないんですけど。

強いていうならば、私は仕事柄、業効率改善のために派遣された死神のような扱いを受けることがあるので、ちゃんと接客業が好きで人の心を持った人間であることが伝わればちょっとうれしいです。照

ホテル勤務に関して聞きたいこととかあればお気軽に下記フォームからご連絡ください😀でわでわ

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