マニュアル作んなきゃだけど何から手を付けていいのか・・・
大丈夫!全20ページ分のサンプルを用意したので心置きなく盛大にパクってください!ただしカフェや居酒屋等の単一業態の飲食店をモデルにしていますのであしからず・・・
一般論的なマニュアルのあるべき姿としては【5つのPOINT】実用性の高いマニュアルを作るには?をご参照ください。読んで頂ければお分かりいただけると思うのですがここで作成するのはあくまで60点のマニュアルです。いきなり100点を目指すと挫折します。「パレートの法則」みたいなもんで、60点のために10の作業量が必要だとすると、80点には追加で20くらいの作業量が必要になります。
飲食店のマニュアルってどうやって作るの?
- 新人教育を行う際に必ず必要な項目を洗い出して目次を作成する
- ある程度の体裁を整えるため、インターネット上のテンプレートをダウンロードする
- 1.の目次に沿って1ページあたりの情報量を調整しながら作成する
- 「新人教育には必ずこのマニュアルを使用する」という鉄の掟を作る
- 既存スタッフにもマニュアルに目を通してもらって自身の認識と齟齬がないか確認する
こちらがおおまかな流れになります。
基本的な考え方
マニュアルの一番の存在意義は新人教育にあります。逆に言うと新人教育を前提としていなければ定期的な研修を行わない限り出番がないため形骸化してしまうでしょう。
アルバイトさん等の出勤初日、30分ほどの時間をかけて業務内容の全体像を説明するためのツールであるとご認識ください。したがってOJT(実地訓練)で解決する方がよっぽど効率的な業務手順詳細はあまり記載していません。むしろ業務に対する姿勢や、早い段階での自走を促すためのマインド醸成に注力しています。
教えるスタッフによって差が出てしまうところを重点的に、ってことね
マインド整理の重要性については是非以下の記事をご参照ください。
新しい仲間となるスタッフに対して
- 「アルバイトとはいっても仕事なんだからある程度キチッとしてもらうよ?」
- 「ちゃんと教えるからこれから一緒に楽しく働いていこうね」
このようなメッセージをバランス良く、誠意を持って伝えるためにはある程度見た目の整ったマニュアルを用意しておくことは大事なことです。
重複になりますが、資料のない導入研修は潜在的に優秀なスタッフであるほど不安を招きます。そして既存スタッフに全てを委ねてしまうと知識とスキルにおいて必ずバラつきが発生します。

テンプレートのダウンロード
PowerPointを使用したことのある方ならお分かりだと思うんですが、真っ白な状態から書き始めるのは非常に時間がかかった挙句に体裁が整わないです。正確に言うと体裁を整えるのが面倒だから整った状態のものを頂いちゃいましょう。
とても使いやすいので私自身愛用しており、今回のベースとなるテンプレートが下記サイトからダウンロードできます。
サイト内02のダウンロードボタンを押下します。無料で商用化ですのでご安心ください。4色からお好みのものをお選びいただけます。

当記事では“Uranus_Green”を使用しています。あなたのお店だけのマニュアルを作成していきましょう。
尚、Excelベースでもっと内容を分厚くしたい、という方はこちらの記事をご参照ください。
初期設定・注意点
画面左上の「挿入」から「ヘッダーとフッター」を選択してください。すると以下の画面が出てきます。

上の画像の通りにチェックを入れ、フッターに店舗名を入力してください。「すべてに適用」のボタンを押すことで自動的に全ページに反映されます。
スライドを使用する際は「コピー + ペースト」してから適切な場所に移動させることでこの設定を漏らさず反映させることができます。
作成プロセスと各ページの役割
それでは早速作成していきましょう。
P1 表紙

お店の看板メニューや外観写真、スタッフの集合写真等でもっとそれっぽく、華やかにすることもできますが、テキストのみでもシンプルで良いと思います。
P2 はじめに

ここではこのマニュアルの目的など、説明の本編に入る前に知っておいて欲しいことを記入します。読み合わせの際に新人スタッフが過度に緊張することが無いよう、アイスブレイクとして使用するのも良いでしょう。
P3 目次

これからどのような流れで説明するかをサッとお話しておきます。省いても良いですが、「ちゃんとしてる感」って意外と大事ですし。心の準備してもらえますし。
P4 当店のコンセプト

どういった運営方針なのかを噛み砕いて説明します。
- 厳選された契約農家の食材をリーズナブルにご提供
- 本格ドリップコーヒーを自慢の手作りスイーツと共に
- 学生さんからご年輩まで気軽に利用できる地域密着型の居酒屋
など、それぞれのお店に合わせたコンセプトを明確にしましょう。「商品力勝負!!」というお店もあるでしょうが、スタッフにどういった接遇を求めているかには触れておく必要があります。
P5 就業ルール

グルーミング(身だしなみ)に関わることやお店との連絡ツールなど、新人スタッフが気にしそうなことを想像して書くと良いでしょう。安心してもらうこと、モチベーションを引き上げること。この2点のバランスに留意してください。
P6 サービスフロー表紙

「いよいよ実務的なお話に入りますよ」、ということで場面展開用のページを挟みます。いきなりワンオペでもない限りは営業中の流れのみに絞りましょう。
P7 サービスフロー【全体の流れ】

サービスフロー内の目次です。ドリンクレシピや商品知識詳細をここに入れることはあまりお勧めしません。あくまでどのような業務があるのかをイメージしてもらうことに注力しましょう。
森を見る前に木を見せても混乱するだけだもんね
P8 テーブル番号

おそらくテーブル番号だけは初日に覚えてもらいたいお店が多いと思うので写真入りで説明しています。図面がある場合は元テンプレートP29.30等を使用するのも良いでしょう。「このページをコピーして持たせればテーブル番号の入力ミスを防げる」という利便性を持たせるのがポイントです。
P9 来店時対応

バチッとセリフを決めても良いですし、上記のように柔軟に構えて考え方や優先順位を整理してあげるのも良いと思います。
P10 着席時案内

もちろん券売機やセルフオーダーなら案内が不要な場合もあります。その場合は割愛してください。
P11 ハンディ入力方法

こちらも紙伝票、OES、キャッシュオン等様々かと思いますが、どうやって注文を受けて調理スタッフ等に伝達しているのかを理解してもらいましょう。いずれにせよ「習うより慣れよ」、ここでハンディ等機器の使い方を叩きこむのは非効率です。実物を見せながら「後で担当のスタッフがちゃんと教えますね」くらいにしておきましょう。
P12 飲食中の対応

ここも業態によってかなり差異がありますが、待機中どういったことに気を配るべきなのか、やるべきことは何なのかについて簡単に触れておくと良いです。
P13 ちょこっとクイズ

ここまでずっと説明しっぱなしだったので、理解度やモチベーションを確認するためにクイズを用意しました。お客様目線やスタッフとの協調性は大事なはずですから、自分で考えることも必要だってことを教えてあげてください。
研修を実施するスタッフの間ではクイズの答えをある程度共有しておきましょう
P14 お会計方法

P11のハンディ然り、機器の取り扱い説明は実際に触ってもらった方がよほど効率的なので、決済方法等のざっくりとした説明に留めましょう。
P15 退店時の対応

特殊なオペレーションが無ければ割愛することもできますが、忘れ物チェックや「適当な挨拶ならしない方がマシ」なことは説いておいて損ないです。
P16 サービスフローまとめ

メインコンテンツであるサービスフローがここまで、という場面展開用のページです。再確認しておきたいことを併記しましょう。
P17 注意事項

ここまでの内容で付け加えておきたいことがあれば箇条書きにしてまとめます。
ここまでで導入研修を目的としたページは終わりです。お疲れ様でした!!
あると便利なツールの具体例を3ページほど追加で載せておきます。
P18 電話応対

P19・20 業務チェックリスト


すみません、チェックリストについては表の挿入が必要です・・・
まとめ
ここまでのマニュアルが出来れば60点あると言っていいのではないでしょうか。一定の経験を積んだスタッフに対しては
- 商品知識・ドリンクレシピ
- ケーススタディ(クレームやトラブル対応)
- 検品・搬入
- レジ締め・シフト精算
こういった内容を追加することで80点くらいになると思います。
あれ、じゃあどうすれば100点になるんだろう?
はい、残念ながらマニュアルに100点はありません。サービスにおける正解がそもそも1通りではないですから。
- 時代や運営状況にマッチングさせながら定期的にリバイス(更新)を実施
- 個々の業務に求められる質、スピードの明確化
- 2.をベースにした人事評価との紐づけ
ここまで出来たら90点オーバーです。無理ですよね(笑)
大手のチェーンを除いて、飲食店で60点のマニュアルを持ってるお店はほとんどありません。十分に価値ある60点ですから是非チャレンジしてみてください!
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